私と彼らのあした

駆け抜けてくラッキー追っかけつかまえて

オタク女子的芸術鑑賞〜「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」編〜

11月10日に福岡県立美術館で開催中の『印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション』へ行ってまいりました。夏には『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』も鑑賞したので、今年は何だか印象派づいてますね。

印象派』という単語はよく聞くけれど、実際にどんな時代のどんな作品のことを指すのか、というところはイマイチ理解していない私ですが、感覚的に印象派の作品は好きなものが多い気がします。

ウィリアム・バレルという人は海運業を営む家庭に生まれ、15歳で家業を継ぎ、その頃から美術品を収集するコレクターでもあったそうです。今回は印象派の絵画が主ではありましたが、バレルはヨーロッパの絵画だけでなく、アジアの美術品も多くコレクションされていたそう。映像で見たグラスゴー市の美術館『バレル・コレクション』は美術品はもちろん、建物そのものも洗練された美しさがあり、とても素敵でした。バレルは落ち着いた作風の絵画を気に入っていたそうなのですが、展示されている作品を全体的に観ても、私が好きな雰囲気のものが多く、こういう言い方が正しいかどうか微妙ですが、バレルさんと気が合うなあ、と思いました。そういう意味でも、グラスゴーにもいつか行ってみたいと思うようになりました。

今回展示されていたものの中で、特に私が気に入った作品がふたつあります。ひとつ目は、アンリ・ファンタン=ラトゥールの『春の花』。色合いはとても控えめで、華やかさとは少し違う、陰影の表現でパッと目を惹く、繊細な花の表現が好きでした。ふたつ目は、ウジェーヌ・ブーダンの『ドーヴィル、波止場』。ビュールレ・コレクションの時もそうだったのですが、私はどうやら港や船舶を描いた作品に惹かれることが多いみたいです。この作品はポスターにもなっていて、目立つ作品のひとつでもありました。波止場に停泊する帆船の雄大さと、大きく空が描かれている余白の美を感じました。水面の揺らめきも美しかったです。このふたつの作品はあまりにも好きだったので、ポストカードを自分へのお土産として買いました。

全体的な印象が「静」だったので、鑑賞後はとても穏やかな気分になり、かなり良質な時間になりました。『印象派』についても以前より興味を持つことができたので、少しずつ勉強していきたいと思いました。